【レポート】3/10(土)ガールズ&パンツァー最終章 第1話 岩浪美和音響監督トークショー

【レポート】3/10(土)ガールズ&パンツァー最終章 第1話 岩浪美和音響監督トークショー

(聞き手:塚口サンサン劇場のガルパンおじさん)

 

現在塚口サンサン劇場にて上映中の『ガールズ&パンツァー』シリーズ。毎日たくさんのお客様にお越しいただいております。少し時間が経ってしまいましたが、3/10(土)に行われた、岩浪美和音響監督による貴重なトークショーの模様をお届けしたいと思います!

“ドラえもん待ち”によって延長されたトークショーの文字起こしは、情報量の多さに両腕が腱鞘炎になりかけました。なりかけましたが、映写室に響き渡るウーハー音に包まれながら、「岩浪さんの音やで・・・・・・!」と自分を励まして、なんとか編集を終えることができました。当日お越しになれなかったお客様に少しでも雰囲気がお伝えできれば幸いです。そして参加された方も、岩浪音響監督と当館T氏のおもしろトークを思い出しながら楽しんで読んでニヤリとでもしていただければ、私の腕の痛みも報われます・・・・・・!(心の声)それではどうぞお楽しみください~~!

 

戸村(以下、戸):では、そろそろ時間になりましたので、お呼びしたいと思います。岩浪音響監督です!拍手でお迎えください!

岩浪音響監督(以下、岩):はい、どうも~。

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戸:どうぞお座りください。

岩:はい。来ました、塚口。もう4回か5回来てるね。

戸:そうですね。前回は『BLAME!』のときでした。

岩:この椅子(パイプ椅子)ね。僕はいろんなところでトークショーしてるけど、これ体育館にあるやつですよね?(笑)

戸:すみません!!!(笑)

岩:余計なところにお金を使わないのが塚口流。

戸:本当にすみません。基本は、どんぶり勘定でやってます(苦笑)

 

■地下の展示はスタッフの汗と涙(?)の結晶

岩:みなさん、ご覧になったかと思うんですけど、サンサン学園艦。僕は大笑いしましたよ。

戸:学園艦の上に、サンサンタウンを作っちゃうという。

岩:しかも被弾してるんだよね。

戸:塚口で戦車道の試合をしていたら、という設定です。

岩:どうせ戸村さんが「やろう!」って言い出したんでしょ?

戸:僕が「やろう!」って言いました。それでスタッフにブーブー言われました(笑)

岩:毎日のように工作してる従業員の方もいるわけでしょう?

戸:そうですね。実物の建物とかの写真を撮って、一生懸命それを再現しようとして、ダンボールを切り、発泡スチロールを切り・・・・・・。

岩:「なんで映画館に勤めてんのに工作しなきゃいけねえんだ」って思ってる従業員の方も、いらっしゃいますよね?

戸:いると思います(笑)

(会場にいたスタッフ、うなずく)

岩:あ、うなずいている(笑)

戸:そうなんですよね。映画館で働いてるのに、工作の技術が上がっていくという(笑)

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■「サンサン劇場はアホな映画館」「それは褒め言葉です!!」

岩:地下に展示してある新キャラの設定資料とかは、サンサン劇場が初出なんですよね。博報堂の西川さんが頑張ってくれて。(※ガルパンの配給担当の方。当日も会場にいらっしゃいました。)ちゃんと名前がロールテロップに出ますから、見つけてくださいね。もうね、西川さんとは、いろんな劇場に行ったさ。塚口、幕張、立川は不思議とホーム感がある。サンサンは温かいというか。

戸:そうですね、本当に良いお客さんに支えていただいています。

岩:アホな映画を観るなら塚口ですね。

戸:そうですね。Twitterでは「塚口あたまおかしいですね」ってよく言われてるんですけど(笑)、それは褒め言葉として受け止めています。

岩:でもだいたいそれ(あたまおかしいと言われることを)やってんの戸村さんじゃないか(笑)

戸:そうです、僕です(笑)

 

■サンサンのポプ子、大失敗する。

岩:僕がサンサンに来て音響調整するときは、劇場の方で戸村さんともう一人、お世話になっている人がいるんですけど。長身で、日活アクション映画に出てきそうなハンサムな人で。戸村さんと並ぶとね、今風に言うと、若干、ポプテピピックですよ。

会場:爆笑

戸:あ~~!そうですか。そっちですか。僕は何て言えば良いんだろう。複雑です。

岩:ちっちゃいほう何だっけ?ポプ子?うん。サンサンのポプ子で~す!って感じですね。上映終わったら、「ポプ子さん、お疲れ様です!」って言っちゃって(笑)今日も後が長いですからね。まだマサラのチケット残ってますよ。スクリーン3はね、今日と21日しかやらないの。その為に、ウン十万かけてウーハー借りて来たの。採算とか減価償却とか考えてないですよね。

戸:そろばん弾けないので・・・・・・(笑)

岩:シアター3は貴重ですよ。今からでも遅くないです。

戸:昨日、改めてシアター3でガルパンの音を聴いたんですけど。不思議というか・・・・・・すごいな、というか。

岩:どうせ2回しかやらないんだから、派手に特盛でいってしまえ、と思いまして。

戸:そうですね。通常なら、4番シアターの振動が3番シアターに伝わってしまうので、3番の上映は止めるんですが、今回は1人でも多くの方に楽しんでいただきたいと思って、3番シアターも上映することにしました。4番の音を3番で打ち消すくらいの気持ちだったんですけど、ほんと特盛でしたね。

岩:両方同時にかけたら、建物は大丈夫かな?

戸:待合室が大変だと思います(笑)。上と下から、ボーン!て来るかと。

岩:僕は本当に映画館が好きで、いろんな映画館に行ってるんですけど、ここは特殊ですね。映画愛に溢れているというか。辛気臭い話になっちゃうんですけど、このクラスの映画館て、地方とかでも潰れていってるんですよ、大変なんです。本屋さんとかレコード屋さんとか、最近だとレンタル屋さんも。次は映画館かもしれない。

戸:そうならないように・・・・・・(苦笑)

岩:だからね、そうならないようにとおっしゃってますけど、来るだけで楽しい映画館って、そうそうないないですよ。まるで宝箱のようなね。本物の宝箱を見たことはないけどね。

戸:・・・・・・(聞き入っている戸村氏)。

岩:そこで「うほ!」って言うんだよお!!

戸:あ!!!そうだああ~!普通に聞いてしまってた!ごめんなさい!フリがシリアスだったからどこで来るのかと思って!(汗)

岩:シリアスに入って落とそうと思ったんだよ~!(お客さんに)さっきネタ合わせしたんですよ!

会場:爆笑

岩:「“ないけどね”って言ったら“うほ!”って言ってね」そしたら「わかりました」って言ったんだよ!

戸:言いました!すみません!!

岩:もぉ~ポプ子ぉ~。

会場:爆笑

戸:こらまた言われますね・・・・・・。

岩:これSNSに書いていいよ。『サンサンのポプ子、ツッコミ失敗』 『うっかり忘れる』

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■サンサン劇場はどこへ向かうのか?どこを目指しているのか?

岩:みんな、総集編(ブルーレイ)とか買ったのかな?オーディオコメンタリーで2時間くらい喋っちゃったからもう言うことねえんだよお~~。

戸:あははは!!!

岩:はじめてサンサン劇場にきた時の話ですけどね「ガルパンのウーハー上映をするけど、岩浪さん調整にこないんですか?」「いやーそこまでは、、、」みたいなやりとりを、ツイッターで見ちゃってね。だったら行こうじゃないかと。西川さんに、どうにかなんないか?って相談しました。東京から離れると、いろいろ大変なんです。経費とかかかってハードルが上がるから。でもね、結果的にガルパンおじさんたちに遠くからも来ていただいて大成功というか。

戸:はい。全国津々浦々、北海道から来ましたとお客さんから聞いたときはびっくりしました。

岩:立川はポーランドから来たよ。

戸:あ~~~!海外か~~~!(笑)

会場:爆笑

岩:でもね、あほな映画館という認知度はガルパンでかなり上がりましたよね。

戸:そうですね。何を期待されているかわからないんですけど(笑)、毎回必死に考えてます。

岩:これからどうするんですか?学園艦も作っちゃったし。

戸:いろいろ考えてるんですけどね。

岩:もう考えてるんですね(笑)

戸:はい。でも今言うとまたスタッフが怒るのでギリギリに言おうかなと思って。やらざるを得ない・・・・・・!ってところで。

岩:ほんと、地下の展示見たときは、爆笑しましたけどね。あほや~この映画館、あほや~って。

戸:その言葉を聞きたいがためにやっているようなものです(笑)

 

■思い出の『BLAME!』のお話。

岩:あとはね、映画館をいろいろ回ったんですけど、それがきっかけで映画館の中の人と親しくさせていただいて。僕にとって忘れられないのが、ご覧になった方も多いと思うんですが、ポリゴン・ピクチュアズの『BLAME!』(※1)という作品です。とても小さな規模で、全国で30館くらいの上映だったんです。ガルパンでお世話になった劇場に、「こういう映画をかけるので、協力していただけませんか」とお声がけさせていただいたら、映画館の皆さん全て応えてくださって。サンサン劇場は特に雰囲気良いところだからって、舞台挨拶で瀬下監督と吉平副監督とで3人で来まして、お2人も「本当にここは素晴らしい劇場だ」と感動してらして。そのときも、劇場手作りのオリジナル巨大ポスターを作っていただいて。

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戸:そうですね。

岩:『BLAME!』は、最新の音響スタイルでやりまして。ドルビー・アトモスというもので、前後・左右・上下の好きなところに音を配置できます。以前、『ゼロ・グラヴィティ』(※2)という映画を見て、ヤバイ!このままだと日本の映画音響は浦島太郎になってしまう、何としてでも最新のフォーマットで作らねば、と思って動き出しました。それでようやく『BLAME!』で作れることになったんですが、せっかく作らせてくれたんだから、興行的に成功しなきゃいけない。だから直接、映画館にメールをして、上映させてもらえることになったんです。でもね、面白かったですよね?

戸:そうですね。『BLAME!』のときは、こういう作品があるから、と岩浪さんからメールをいただいて。うちには熱狂的な『BLAME!』ファンのスタッフがいることもあって(笑)、何の躊躇もなく、「やろう」と決めました。楽しい舞台挨拶もしていただいて。

岩:ポリゴン・ピクチュアズの塩田社長のお母様が来てくださったんですよね?

戸:はい。ご友人と一緒に(笑)

岩:サンサン劇場がいちばん盛り上がったの(笑)駆除系(『BLAME!』に出てくる敵キャラ)の真似とかしましたね。

戸:四つんばいになってる監督達を舞台袖から見て、「何してんだろ?」って思ってました(笑)

(※1)弐瓶勉原作によるSF漫画。2017年、ポリゴン・ピクチュアズによって映画化。「VFX-JAPANアワード2018」にて劇場公開アニメーション映画部門最優秀賞を受賞した。

(※2)宇宙を舞台にしたSF、ヒューマン・サスペンス映画。日本では2013年公開。観客、批評家双方から演技・演出・脚本・映像美といった作品のあらゆる面を称賛された。

 

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■ドラえもん待ち

岩:ドラえもん終わるまで上映は始めらんないんだよね~(笑)

会場:爆笑

戸:それは、もろもろの事情(※)がありまして(笑)(※ガルパンを上映する4番シアターの真下にある3番シアターで「ドラえもん」が上映中だったため。劇場の構造上、4番の音が3番に聞こえてしまうのです。)

岩:ドラえもんて、毎回泣けるんだよねえ。感動すんの。感動的なシーンでさ、ドオォーン!バリバリバリ!っていうのはまずいよね。だからドラえもん終わるまで喋り続けます(笑)ロードショーの劇場を決める時に、商圏というのがあってね。この辺だと梅田とか難波とか、そういう人が集まるところの映画館を配給会社は優先しちゃうんだよね?

戸:(西川さんを見て)なんか、伏し目がちになってますけど・・・・・・(笑)

岩:でもリアルな話ね。そんな中、塚口は昔の作品や単館系からドラえもんまで幅広く上映していて、封切館、2番館3番館、名画座、ミニシアターってね、いろんな役割を持っています。こんな風にいろんなアプローチの仕方ですべての映画ファンを満足させる映画館ってなかなかないですよ。来るだけで楽しい、ほんといい劇場です。

戸:いろいろやらなきゃな、とは思ってはいるんですけど。その中でもガルパンは、うちの中でも大事な作品になってますので、末永くお付き合いできればな、と思っています。

岩:ちょっといつまでかかるかわかんないですけどね(笑)

会場:笑

岩:工作の時間はたっぷりあるよ。6話目の頃には地下の展示室がダンボールでいっぱいになるんじゃない?

 

■大人の重低音ウーハー上映???

こちらは当日会場にいたお客様だけが知るシークレットトークです♡

大人の重低音ウーハー上映って、一体なんだと思いますか???

 

■何回も劇場に足を運んで、聞き比べてみてください!

岩:今回は、2番シアター、3番シアター、4番シアターで3作品ずつ、9タイプの音響調整をしました。サンサン劇場はですね、最終章の録音作業をしたハコと同じくらいの大きさなので、サイズ感がちょうど良いんですよね。スタジオに近い音が出るんです。マサラは無理かもしれないけど、いかに3作品で音が進化しているのかチェックしてくださいね。2番シアターと4番シアターでも少し変えてるから、よく聞いてね。

戸:僕は、特にアンツィオ戦が変わったように思いました。夜中までじっくり調整して頂いて、3本見たらヘトヘトですね(笑)

岩:アンツィオは今まで若干、控えめにはしてたんですけどね。でももう今回は、いったれ〜!ってかんじで、アンツィオ聞くだけでぐったりします(笑)みなさん、盛り上がって楽しんでくださいね。

戸:それでは今日は短い時間でしたが、ありがとうございました!

 

■上映情報■

◇ ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!

上映期間:3月10日(土)~3月23日(金)

◆ ガールズ&パンツァー 劇場版(Blu-ray版上映)

上映期間:3月10日(土)~3月23日(金)

◇ ガールズ&パンツァー 最終章 第1

上映期間:3月10日(土)~3月30日(金)

◆ 塚口流戦車道、第2ラウンド始めます!(ガールズ&パンツァー3作連続マサラ上映)

上映期間:3月21日(水・祝)限定

 

【塚口サンサン劇場公式アプリ始めました!】上映スケジュール管理に便利!最新の映画情報をすばやくお届け!WEBチケット予約も簡単!今回みなさんに読んで頂いた岩浪美和音響監督トークショーのレポートは、塚口サンサン劇場公式アプリ内のSUNSUN Tabloidにて掲載しています!上映作品の紹介やスタッフのコラム、地下1階待合室の展示アーカイブなど、おもしろくて少しだけためになるかも?な、情報を発信中です!当館スタッフも愛用中!ぜひぜひ、ダウンロードしてくださいね♪

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